そして円環はひらく

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この闇と光

この闇と光 (角川文庫)

この闇と光 (角川文庫)

お城に閉じ込められて暮らす、盲目の王女レイア姫
優しいお父様。物語を読んで聞かせて、字を、世界を教えてくれる。この世の全て。
王は言う。「綺麗な姫、可愛い私の光の姫」
二人でずーっと一緒にいられたら良いのに。
召使のダフネは意地悪。夜毎枕元で繰り返される、「殺してやりたい」という囁き。
怖くてたまらない。
そんな中、兵士の動きが慌しくなり、民衆の暴動の中、レイア姫は連れ出される。
外に出たレイアを待ち受けていたのは…


ロマンチックな中世の世界から、いやもう、途中でドカンと否応無く現実に引き戻される感じ。
読者もこの世に強制帰還。
あの耽美な世界が崩れた事が心を騒がせる。いやだー戻りたい!
壊れなければこんなに愛しくは思わなかったろうな。
崩壊した世界のなんと美しいこと。


この感じならまた別作品も読んでみたい。