そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

神の子供たちはみな踊る・ルームメイト

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

面白かった〜オムニバス形式で書かれた6つの短編の中に、神戸大震災という軸がある作品。
一作目の、妻に出て行かれた男が北海道まで小箱を運ぶ話が一番好き。
”コーヒーは実体としてではなく、記号としてそこにあった”
「UFOが釧路に降りる」より


この一文で、どれだけリラックスした気分から遠い所にいるか、
実感を伴っていない感じ、現実からの剥離感が伝わってきて、そら恐ろしい表現力だと思った。いまさらだけど。
”コーヒー=会話の句読点”の連想をうまく引き出すなぁと。


「UFOが釧路に降りる」から始まり「蜂蜜パイ」の終話で、希望に満ちた終わり方をしているのが不思議な感じ。


ルームメイト (中公文庫)

ルームメイト (中公文庫)

短編は好きだったけど、長編になるとアラが目立ってちょっときつかった。