そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

夏の名残りの薔薇

夏の名残りの薔薇 (文春文庫)

夏の名残りの薔薇 (文春文庫)

毎年山奥の山荘で開かれる豪華なパーティ。
今年も同じ顔ぶれが集められ、同じように楽しむが、今年は何かが違う。
次々と殺されていく招待客。しかし次の章ではその被害者が生きている。
本当に殺人が行われているのか?狙いは?犯人は一体…?


読み終わって何度もう恩田よまねーって思うか。
何度もその読みやすそうな雰囲気と帯書きに食指をひかれ…
でももう読まない!エンドゲーム以外読まない!
タイトルからメランコリックな抒情的な作品を期待したけど、この人に期待しても無理だった。


設定と試みがすごく面白いのに、想像以上に面白くならないのは完全に筆力のせい。
こんなにワクワクすることを考え付いたのに勿体ない。
記憶の変容を扱うなら、眩暈。これが絶対必要条件しょ。
どこが確実な足元なのか、土台がぐらつくような眩暈。読んでてクラクラ感じるくらいのが絶対欲しい。
描写力ないんよな…表現力の豊饒がないというか。混乱すらできない。
いくら美人を「美人だ」と書いた所で伝わらない。
最後の「去年」「いまはいったいいつなのかしら」が生きない。


さいごに。「きょうだい」って平仮名、意味あんのかと思って気になるからヤメテ。