そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

異色作家短編集「キス・キス」

キス・キス (異色作家短編集)

キス・キス (異色作家短編集)

ダール・・・読んじゃった。あぁ勿体無い。
・女主人
・ウィリアムとメアリイ
・天国への登り道
・牧師のたのしみ
・ビクスビイ夫人と大佐のコート
ローヤルゼリー
・ジョージイ・ポーギイ
・誕生と破局―真実の物語
・暴君エドワード
・豚
・ほしぶどう作戦
もう一発目からゾクゾクしまくり。
全部捨てなしの作品。最後の3篇が私的に盛り上がりピークで特に好きな感じ。


「ウィリアムとメアリイ」
一番ゾクッとした。怖すぎる。
脳だけになった状態の旦那(と言えるかどうか分からない代物)を見て
「かわいらしいじゃありません?早く家に連れて帰りたいわ」と言う妻。ダール節炸裂。


「天国への登り道」
待ち合わせ時刻に病的なほど神経質な妻。
飛行機の時間に間に合わないと、そりゃもう可哀相なほどヤキモキする妻を
いたぶるかのように悠長な夫。
忘れ物を取りに家に帰り、中々タクシーに戻ってこない夫を涙目で待つ妻は、
とうとう待ちきれずに家に迎えに行く。
そしてなぜか晴れやかな顔でタクシーに乗り込み・・・


「豚」ブラックメルヘンな情景が浮かぶ。
「ほしぶどう作戦」これも好き。


こんなんを今、初読できる私って幸せじゃないか。