- 作者: ダフネ・デュモーリア,Daphne du Maurier,吉田誠一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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まったく全く!このシリーズは読むの勿体ないよ本当。
「美少年」
休暇中、小ヴェニスで出会ってしまった美しい少年ガニメデ。ゼウスの酌人。
給仕の少年はいつも言う。「キュラソーですか、シニョーレ」
何かが劇的に変化する訳ではない、ただ日常から踏み外す穴に落ちてしまっただけ。
出会いのシーンは、いきなり世界が色鮮やかになるわけではなく、
一瞬だけ耳が通って喧騒がはっきり聞こえた時のような、そんな感じ。
淡々としたリアルさ、でもその中で夢の中にいるような浮遊感。もうひとしきり感心。
デュ・モーリアの何故か全ての作品の気温が肌で感じられる。
とにかく読んでて楽しくて、終わるのが勿体無かった。
アリバイ
青いレンズ
美少年
皇女
荒れ野
あおがい
全6篇。他に比べると本数は少ないが、読み応えあり。
ゆるゆると読みやすい文体。
そういやレベッカも一気だったもんな、あれは中学生の時?
あとがきによると、レベッカの続編を書いているのがスーザン・ヒルだとか。
読まねば。(追記:未訳かよ!怒!)
私的ランク
「一角獣・多角獣」
「13のショック」
「破局」
「炎のなかの絵」
「くじ」