そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

修羅の終わり

残念駄作すぎ。
ネタバレあり。


第1の話:(70年代)エリート久我のスパイ育成日記
善良な高校生である斉藤と接触し、スパイに仕立て上げようとするが…
(つか久我は「桜」不適正で落とせよ)


第2の話:(90年代)鷲尾のハチャメチャレイプ日記
弱者いびりの常習、警官鷲尾はいつものように権威を隠れ蓑に悪行を繰り返す。
レイプし不幸に陥れた女多数。


第3の話:(?年代)記憶を無くした青年の空白日記
ある朝目覚めたら全ての記憶を失っていた。自分は一体何者か。


この3話が同時進行。リンクする予感で引っ張っていく。
<青年は誰なのか>
青年は小織という女性に「前世で恋人同士だった、あなたの名は斎藤拓也」と言われる。
この女性は不思議ちゃんであり、たまたま目に留まった新聞記事から
「斎藤拓也」という名前を付けられただけであった。これで青年=斎藤の線は切れる。
ちなみに同時進行する「久我がスパイに仕立てた高校生」も斉藤である。この線は切れず。
次、自分にはお姉さんがいると知る。その姉は警官にレイプされ自殺した。
ここで”死んだ姉が第1・第2に出てくるどの女性に該当するのか”が青年を知るキーになる。
これ以降明確な人物判別は無く物語りは進行。
青年はやがて姉をレイプした警官を成敗する決意をする。
その人物は…だった。

これが種明かしとなるのだが、なんとまぁ「姉は鷲尾にレイプされた女だろう」ミスリードが半端。
(苗字の件はわざとらしく解釈入ってるが)
あと血のメーデーや五百円紙幣などで第1と第3の時代は分かるものの
第1と第3がリンクした今、青年の話は第2のどこと繋がるのか。
この明確な布石が無いんだな。
でも鷲尾と何らかの接触が無いと、第2は全く意味の無いストーリーになってしまう。


・しっくりこないが真木=白木
真木:飲酒の習慣なし(慣れないウイスキーを5杯)
白木:ビールをチビチビ(お酒駄目なんですよ)


・鷲尾の父は警察官
ということは折角なので第1に登場させているはず。
久我と同室の萩原辺りでどうだ?性格が似ているようだが。


解消されない点:
青年の誕生日が斎藤拓也の死んだ日である件。偶然ってことで良いんですか。
交番に爆弾が投げ込まれる事件、夜叉の爪、売春組織、どれも半端に投げられっぱなしで収集が付いてない。

頭を使って想像するのが好きなので謎の残る話は大好きなのですが、これは本当駄目。山瀬って誰?白木って誰?
謎のまま置いておくにしてもこれじゃ駄目だよ。
読了後の不快感も衝撃も殆ど無いに等しかった。