そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

光の帝国 暗い森の少女 他

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

特殊な能力を持ち、現代の世にひっそりと生きる常野一族の話。
常野に関連のある一連の短編が並ぶ。 読んでガッカリはしなかった。
しかしファンタジーの割にオリジナリティ不足と想像を超えないディテールしか出てこないのが残念。
異形のものが「人間の口から蔦」とか「頭部が苺」とか・・もうちょい何か無いのか。
能力が「遠耳」とか「発火」ってさ。
「しまう」等の用語もまだまだ頑張りが欲しかった。
ただ、ツル先生と預けられた子供達の短編は中でも一番良かった。


暗い森の少女 (ハヤカワ文庫 NV 189)

暗い森の少女 (ハヤカワ文庫 NV 189)

どこぞのブログでケッチャムの「隣の家の少女」と並んで紹介されていたので手に取った。
こんなに趣が違うんだ…
ケッチャムのひたすら胸糞悪くなる程、暴力的で救いの無い文学とは違う。
あちらはもう背表紙ですら眼に入ったら不快。(でも読んじゃうけど)
こちらは普通に面白い。むしろ全然グロくない。
言ってしまえば見も蓋もないが、憑依もの。


物語は何世紀も前の話で幕を開ける。
走るウサギを追って森の中へ入った少女。その子は森の中で父親に殺される。
ウサギは踏み潰され、父親はその足で投身自殺。

そんな血塗られた過去を持つ家系の子孫である姉妹2人のお話。
予兆は屋根裏に置かれた埃まみれの肖像画から提示される。それは姉と瓜二つの顔をしていた。
一方、妹は父親と森へ入った時から口が聞けなくなる。
父親はそのときの記憶を失っている。
森の中では一体何があったのだろう?何だか自分は分かっているような気がする。
でもそれを知るには、恐ろしすぎる秘密の蓋を開けてしまうのかも知れない。
献身的に口の利けない妹の面倒を見る姉。一見何の問題も無いように見える家族。
丁度その頃、町では子供達が行方不明になっていた。


殺しの双曲線 (講談社文庫)

殺しの双曲線 (講談社文庫)

何でこんなものを読んだんだろう?
重要なエピソードを「ここ」と「ここ」という風に
作者が「置いて」行ってる感じがするのがとても気持ち悪い。
最後まで頑張ったがどうしても余韻が残らなかった。