そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

寡黙な死骸、みだらな弔い 他

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

偶然の祝福 (角川文庫)

偶然の祝福 (角川文庫)

★★3冊続けて読むとちょっと食傷気味。
似すぎてる。とにかく「喪失」が好きねこの人。

偶然の祝福のこの一文が心に残った。
「この世を支配する運命のからくりは、なんと慈悲深いのだろう」
少女が、本や映画の中の奇跡を目の当たりにしてつぶやくシーン。
私にもその奇跡の祝福が訪れるに足る、まさにふさわしい日が来るのだろうと。
著者は「そんな日は来なかった」だとか「現実に裏切られた少女」の描写をしない。
読者はその後に知るであろう少女の現実を思って切なくなる。