- 作者: セバスチャン・フィツェック,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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30分ほど前に娘の入った病室を開けると医者は「娘さんは1年前に診たっきり」だと言う。
何の陰謀か!?死に物狂いで探すが娘の行方は杳として知れず。
それから4年。娘を諦めきれないまま島で隠居生活を送る主人公の元へアンナという女性が訪ねてくる。
総合失調症の彼女は、娘によく似た少女が登場する話をし、始めは拒否していた主人公も次第に惹き込まれていくが…
もう少し現実世界との符号があったら良かったのに。
娘=少女、油で窒息=湖で窒息、バスルームの血=月経くらいじゃない?暗号としての一致は。
病院受付がいつもの女でなく、男性だったことにも何か暗喩が?
アンナは危険だと注意を促していた人たちは自己防衛本能。薬が切れるにつれ、精神世界のつじつまが失われていく様は面白い。
プロローグから精神病棟のシーンを出してオチを読ませているので、
どんでん返しで「あっ」というよりはじわじわとそこへ辿り着くまでを楽しむ感じ。
あと、個人的に強調点の多用が嫌いなので、強調点を打たずにそこに注意を持っていってほしい。