そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

オンリーチャイルド

オンリー・チャイルド (扶桑社ミステリー)

オンリー・チャイルド (扶桑社ミステリー)

直接的な暴力描写は少ない。ただ間違いなく鬱な気分になる。鉄板!
今作は暴力亭主から息子を守る母親の奮闘物語。
結婚後徐々に明らかになるアーサーの凶暴性。離婚後リディアは息子をアーサーから取り戻し逃げようとする。
銃撃戦の後アーサーを撃ち、息子を取り戻したかに見えた。
場面は一転、刑務所でのインタビューに変わる。
リディアは夫殺しで刑が確定し、数年間服役しなければならない。
息子に会えないけれど、と彼女は言う。「これで彼に銃を突き付ける人間はいなくなった。彼はもう安全、それだけで充分なの。」
服役中、息子を預かるのはアーサーの母親。
ここで無理にでも読者は思い出さなければならない。アーサーの凶暴性の由来を。幼少期の虐待を。
…。
円満解決かと安心しかけたエンディングの怖いこと!