- 作者: レイ・ブラッドベリ,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/07
- メディア: 文庫
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「詩」
夫の書く詩に世界が内包されていく話。
家が、犬が、風景が、どんどん詩に吸い込まれていって消えていく。
私の中で、机は腰ほどの高さ。低い窓の前にあってそこで夫は詩を書いている。
朝の冷たい風を、オレンジの夕日を運び入れる窓。机は長年擦れて光沢があり、少し丸みを帯びている。
少し日に焼けているかもしれない。そんな場所で彼は世界の一つひとつを詩に封じ込めていく。
言い尽くせないほどの情景が浮かんでくるなんて、嗚呼ブラッドベリ。
私の表現力では感想すら満足に書けない。
「青い壜」
場所は火星。ある日2人の男は長年追い求めてきた壜を見つけた。
手にした者の願いが叶うという青い壜。
相棒がその壜に口を付けると、壜からバーボンが流れ込んできた。
不思議な事に飲みきったと思ったのに、振ればまたチャポチャポと音がする。飲んでも飲んでも無くならない。これぞ夢の壜!
場面は一転。壜を奪われ追跡した先で一人、主人公はある事を目撃する。
そして自分が心底欲していたものに気づく。
手にしているのは、願いが叶う青い壜。望んだものをもたらす青い壜。
…
そこへ来た相棒。男の姿は無くそこにはただ青い壜が転がっている。
相棒が壜に口をつけると、
また、
バーボンが流れ込んできた。
「戦争ごっこ」「バーン!おまえは死んだ!」
これは私の表現力では言いようが無いので、とりあえず一読を。とだけ。