そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

7人の使者

七人の使者

七人の使者

大切な積読本、ブッツァーティの未読の1冊。
以前「7階」「待っていたのは」を読んで、この不思議な世界の虜になった。


”人生はなんと列車に似ていることか”という「急行列車」や、
あれよあれよと、自分の意思に関わらず死の床へ流されてしまう「七階」、
暗喩を込めて人生を描いているものが多くて、そのやり方というかセンスがもう…


「竜退治」
山奥へ竜を仕留めにきた人間は、激闘の末に龍とその子供2匹を仕留める。
その息絶えた体からは煙が立ち上り、その煙が肺に入り・・・初めて自分たちが何をしでかしたかを知る事になる。
竜は神の使いとしてじゃなく一匹の動物として描かれていて、
いくら傷つけられても叫び声を上げず、洞穴の中にいる子供を守ろうとする。
傷つけられた我が子を舐める仕草はただの獣のようで、もう余計切ない。
なんという人間の業の深さ!泣けてくる。


七人の使者  
大護送隊襲撃  
七階 
それでも戸を叩く 
マント 
竜退治 
Lで始まるもの 
水滴 
神を見た犬 
なにかが起こった 
山崩れ 
円盤が舞い下りた 
道路開通式 
急行列車 
聖者たち 
自動車のペスト