そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

このタイプの帯にだまされるのはいい加減やめよう!・・・と思った。
A面とB面で時系列が実はほぼ同時進行だった、
A面とB面の「たっくん」という人物は別人だった、と言う叙述トリック
にゃるほどね、東京行って変わったというには変貌しすぎか。


夕樹ver.「ルビーの指輪を無くした」時期は
辰也ver.「別れて指輪を送り返した」時期に相当。


夕樹ver.便秘で入院
辰也ver.堕胎


夕樹ver.ハードカバーを貸す
辰也ver.平積みの本を見てよくそんな金があるなと当り散らす


夕樹ver.「クリスマスのホテル、直前キャンセル出たみたい。ラッキー」
辰也ver.「別れたのでクリスマスのホテルキャンセルしよう」


こういう叙述系で「おかしいな?」という布石を、味付けとして扱わない場合、
ある程度露出したわざとっぽいミスリードか、無意識下で引っ掛かる不審な言動等の伏線が欲しい。
2度読みでなるほど、というような地味な小手先の伏線しか無いんだもの。(ちなみにタックってどうなのよ)
わざと「怪しい」と思わせてその裏に真実を隠すとか。気持ち良くミスリードして引っ張る筆力が無いのかな。
目隠しが拙い。読み終えてだまされた!という快感がない。


結局、時系列の叙述に国鉄とJRって便利よなw