そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

幻想と怪奇 おれの夢の女

幻想と怪奇 おれの夢の女 (ハヤカワ文庫NV)

幻想と怪奇 おれの夢の女 (ハヤカワ文庫NV)

「墓碑銘」これは初めの説明書きに物言い。”自分の墓に何が入っているか”って書いたらさぁ・・・
父母の墓の真ん中だから彼の墓だって事は示されてるんだけど(本人も分かってるし)
でもそれが自身の墓だって事を明記せずに伏せられてるから、最後の墓標にインパクトが出るのに。
と、まぁそれを差し引いても面白かった。


「子守唄」チャールズ・ボーモントやっぱ雰囲気好きかも。
読み終えてから、反芻するたび印象が濃くなる不思議な作家さん。


「特殊才能」怖いよー!無理無理!ページめくるのが怖くてどうしようかと思った。
何だかはよく分からないんだけど、怖すぎる。
ゆりかご、その中の顔、ガチャガチャ、金属的な音、ゆりかごの中で大きな体を丸めた妻・・・
書いてるだけで背筋がゾワゾワしてきた。


「おれの夢の女」さすがマシスン!笑えるほど人物描写が分かりやすくて、話も綺麗に纏まってて、
この人ほどコアなファンも入門者も通りすがりも満足できる作品は無いと思う。
未来に起こる悪夢を見る才能を持つ妻と、その夢をお金に換えようとする男。
勿論そうなるでしょうっていう結末に行き着くんだけど、小気味良いほどサックリ落ちて、拍手したくなる。


アイネ・クライネ・ナハトムジーク
『もう一人の子供』
エステルはどこ?』
『こころ変わり』
『墓碑銘』
『週末の客』
『海への悲しい道』
『死人使い』
『特別配達』
『子守唄』
『牝猫ミナ』
『特殊才能』
『おれの夢の女』