そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

影が行く、ある日どこかで

影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫)

影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫)

マシスン・クーンツ・ディックと有名処の並ぶホラーSF傑作選とあらば、これは必読なアンソロジー
で、読み進めて一番気に入ったのはジャック・ヴァンスの「五つの月が昇るとき」
知らない名前だったので不意打ちで鳥肌立った。

「確かこういったんだ。五つの月が揃って空へ昇るときには、何も信じないほうがいい、と。」


最後の「唾の樹」も面白かったー


ある日どこかで (創元推理文庫)

ある日どこかで (創元推理文庫)

マシスン長編初読。普通に面白く読めた。


脳腫瘍で余命を宣告されたリチャードは、放浪する途中に立ち寄ったホテルで
すばらしい女優のポートレートを目にする。
彼女に恋焦がれたリチャードは時間を遡って彼女に会う決意をし、何と成功してしまう・・・!
浜辺で出会った彼女は開口一番、彼に向かってこう言う。
「・・あなたなの?」
この時間差カップルの恋の行方は。


彼は倉庫で1800年代の自分の(ホテルチェックインの際の)サインを見つける。
そこにはこうあった、「R・C・コリア」
彼はふと思う。自分なら「リチャード」と書くはずなのにな〜
そしてタイムトラベル後、実際に1800年代で彼はこうサインする。
「R・C・コリア」
なぜなら、そう書くと”知って”いたから。
(これはパラドックスに対するひとつの回答。確か広瀬正かフィニィあたりが書いていたはず。歴史の修正能力。)