そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

ZOO

ZOO 1 (集英社文庫)

ZOO 1 (集英社文庫)

昔に乙一を好きだった気持ちを思い出した!
しかも今までの既読作品の中でダントツ。この本。
上下巻。
「カザリとヨーコ」
同じ顔、同じ体の双子。なのに片方だけが母親に虐待される。
なぜ?なんて感情は無い。だってそれは只単に事実なのだから。
「SEVEN ROOMS」
不可解密室もの。理由もわからず姉と弟はある日拉致された。
何も無い真四角の部屋。
中央に流れる溝に体の小さい弟は潜って周りの様子を確かめに行く。
するとそこには…
「落ちる飛行機の中で」
ハイジャックされた飛行機の中、安楽死の薬を買うか否か。
これは悩ましい。


人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)

人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)

背表紙の説明書き、そりゃ難しいわな…
しかし近年稀に見る「ウソ、紛らわしい」、
本文と併せて読むと面白いかも。
説明に惹かれて買うと腹が立つこと請け合い。


文句無く面白かったし途中泣きそうになる箇所もあった。
拾われた夫婦に愛情をかけられ、名前のわからない感情を教えられた白痴。
そして夫婦に子供が出来、家を出る白痴。
説明しがたい読後感。


ただ何度も読むかと言ったら否。短編は覚えるほど再読するけど。
思うにこの人は短編での欠点が無いんじゃないだろうか。
部分的に切り取っても世界は果てなく広がってるし、
見えていない所でも続いている感じがする。
読者に想像力を掻き立てる断片を与えるのもうまいので。


背景・世界観において、
枠の中は素晴らしい世界観が広がっているけど、
少しカメラを横にずらすと何も無いスタジオが映る人と
ずらしても果てなく世界が広がっている人がいる。
例え横にずらすことが不可能でも私には一番重要なこと。


パニックの手―ジョナサン・キャロル短編集〈1〉 (海外文学セレクション)

パニックの手―ジョナサン・キャロル短編集〈1〉 (海外文学セレクション)

待ちに待ったこの本、やっと文庫化され。
大好きなので甘アマな評価なはずが、これは待たされ過ぎで期待でかすぎた故かピンとこない。
ドカンと落とされる感じが薄いのは勿論、それは短編に求めてないので良いとして、
それよりちょっと満足行かない作品が多いな。
フィドルヘッド氏」どっかで聞いたことある話だなぁ…じゃないよ!
空に浮かぶ子供か!
「おやおや町」キャロル節炸裂。長編でもいける。
「パニックの手」これは好き。
列車の中で一緒になった美しい母娘。
派手で饒舌な母に対し、どもりの癖のある娘。
そんな中、母親は娘の目の前で僕を誘惑し始める…
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素晴らしいフィオーナ
セリーヌの娘の
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なんと!!