そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

夏と冬の奏鳴曲

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)

面白い!どうしよー読むのもったいねーでも一気してえー


記者の駆け出しである烏有は、和音島の取材に向かう。
そこは昔、和音というアイドルを崇拝する者たちが集まり共同生活を行っていた島。
そのメンバーが20年ぶりに島で同窓会をするという。
不思議な共同体は和音の死によって解散されていた。
島で起こる不思議な出来事。夏なのに一面積もる雪の上に横たわる首なし死体。
この島はどこかおかしい…


ある意味、建物としてゲシュタルト崩壊した館。
相変わらず描写が貧弱なのでイメージが湧かない湧かない。


今のところ気になる箇所
・初めにあてがわれた部屋を替わったこと。
・桐璃の白いドレスという表現。目に付くほど多い。
・桐璃の烏有に対する呼び方「うゆーさん」「うゆうさん」これ絶対なんかある。
・自己一貫性の話
・キュピスム:遠近視点を放棄し再構築された各々の一面が全て見える箇所はどこだ。
・桐璃の親は健在という烏有の言った嘘。黒いドレスは母の遺品と言う言葉があった。
・出会った時の桐璃の黒い格好「今日は特別な日」:兄の事故死の日?なら烏有も覚えているはず?


ーーー
結局一気した。
二人の桐璃、これは一体…
きちんと死体を埋めているから実体はあるってこと?
最後船に乗せて帰る場面、烏有の選んだ人は両目の美しい桐璃。
でも呼びかけ方、これが「烏有さん」…
これは和音ならぬ桐璃に人格を仮託し(でも烏有は無なのに何を仮託する?)、
その桐璃が「烏有さん」と呼ぶことによって烏有のアイデンティティが確立されたってこと?
和音の”展開”は結局どうなった。


展開について:
(烏有=ゼロ)は桐璃が全て、自分を仮託する=桐璃を仮託する。
和音の展開により再構築された桐璃が、あの白いワンピの桐璃っていう解釈はどう。
本体は瓦礫に埋まって死亡し、船で連れて帰る桐璃は再構築された桐璃、よって目もある。



映画の内容:
そもそもにあの映画があって、烏有がそのために存在していたと?
※P535からはそう読み取れる。
和音島に着く所で「完」になっているあの映画、
そして黙示録が映画の続編である以上、烏有が奇しくも続編を演じた事になる。
島へ到着してから今まで。
P695でカーテンフォール。


被害者の大学生の妹が桐璃というのは間違いなさそうだが、
和音は編集長でメンバー一人だった?その辺がわからん。
編集長と面識があるともチラと言ってたよな…


ところでヌルってNullですか?無?


…結果なんだかんだで気に入ってます。