そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

ザ・スタンド5


闇の男の元へ向かった男達。
つらい旅の、その先に待ち受けるものは生か死か?
西では送り込まれたスパイが次々に命を落としていく。
ナディーンはついにフラッグの花嫁に。お腹にはフラッグの子供が…


終わってくれるな、と願って止まない作品でした。
読み終わって、もうあと5冊くらい増えてもいいから、もっと読みたい、
久々に残りページが少なくなっていくのがたまらなく悔しくて寂しかった。
ニックの物語もっと読みたい。ジョー(リオ)も。家に帰ってきたトムも。マザーの失踪期間の物語も。
スチュとトム、ホテル(肺炎悪化)での密かなクリスマス、雪の中の帰還。
頭に情景が勝手に広がってゾクゾクしっぱなし。
映画より美しい。ホテルなんかは間取り書けそう。


登場人物が魅力的すぎて離れられない。もっと!もっと!
途中いらないと思った集団決議のくだりもやっぱり必要だったな…と思った。
街は初めに集まったニックやラリーの手を離れて大きくなって行く。
一種のノスタルジーというか、マザーの元に初めの少数が集まった、あの場所に対する郷愁のようなものを感じた。

ネタバレあり(反転)
あとがき曰くニックは「聖人君子」じみているらしいが、
全く!
押し倒した女に「あんたに用は無い」なんて吐く聖人がいるかっつの。ああいう所が好きだ。
しかしナディーンはゴミみたいに死んだなぁ。せっかくの花嫁をフラッグ、あんたって人はw
フラッグ、なんかまだ未熟で人間らしさがあるな…怒りっぽいし。

総評、私にとってスワン・ソングとは比べられない、全く別の物語でした。
これがキングの代表作になるかと言われると…言葉に詰まるけど、
キングの魅力という魅力が凝縮された、なんか核を見るような作品。
5巻では足りなかったんじゃないかと思う。もう少し、もう少し…と。
勿論大満足なんだけど読み足りない。これはファンの戯言ですか。