そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

盤上の敵 

盤上の敵 (講談社文庫)

盤上の敵 (講談社文庫)

何だか世間評価の高かった北村作品。
私はやっぱりあまり好きじゃないな…
何作読んでも変わらないって事は多分好みに合わないんだと思う。
(アンソロジー編集のチョイスセンスには喝采


読み手に対して作者自身から「幸せな気分になれない作品であること」についての前書きがある。
しかし学生時代、ケッチャムが愛読書という穢れた経歴を持つ私には必要ない前書きでした。先生。


美しいラストだと思う。
薄いもやのかかった希望の光。もやを取り払えば黒く沈殿する底溜りの闇があるけれど。
土の匂いの香る森林の中、愛する人とふたり歩く。
記憶を抹殺して、心の平穏を得て・・有貴子はあれで救われたんじゃないかな。