そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

黒い家

黒い家 (角川ホラー文庫)

黒い家 (角川ホラー文庫)

これが現代日本ホラーの代表なら、私はもう今の日本の作品は読まない。


・結末のクライマックスへ向かうクレッシェンドが弱い。
これは劇的な演出(包丁を持った人間が襲ってくる)からして致命的。
過激な状況の割に伝わってくる恐怖が足りないと白ける。
・指狩族というアイテムが勿体ない。もっとうまく絡めたら恐怖倍増エキスになるのに。
・犯人に関して、文集の引っ掛かりや電話の件で序盤から分かるので、
こっちだったんか!という背筋のゾクっとする感じが無い。
・床下に積み重なる死体の描写が物足りない。想像力に訴えかける力がない。


ホラー好きには到底満足できる作品では無い。
「天使の囀り」に引き続き落第点。
保険業って大変だなぁって印象だけが残った。