そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

天使のナイフ

天使のナイフ (講談社文庫)

天使のナイフ (講談社文庫)

乱歩賞受賞ということで、薬丸岳初読。
文末の文字を何度直そうと思ったか。ーた。ーだ。が多すぎて文章が流れない。
言った、見た、思ったって小学生の読書感想文じゃないんだから。
リズムが悪い上さらに流れを止めるような間違いも多いし…P44「思う」→「思った」


内容としては一つの事件を紐解いていく中で、今まで隠れていた事件が繋がって一つになるという作品。
読んでいる間は楽しいが、読み終わって自分の中で全体像を見たときにさて、どうか。
私は合格点は出せない。
あの時○○がなければ、●●は起こらなかったのに→●●がなければ△△は起こらなかったのに→
というまさにドミノ倒しの事件の連鎖なんだけど、
それぞれの○○や●●が出来事として大きすぎる。
1人の女性に絡む殺人が3つ。波乱万丈。


テーマはこれでもかという程前面に押し出されていて、作者の気合は分かるけど、どうしても訴えかけがしつこい。
「被害者を無視して真の更生などありえないのに」
今まで構築してきたキャラを無視してでも貫井の口から言わせたかったのか。
少年法と被害者救済”のテーマごり押し作品。