そして円環はひらく

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運命のボタン

運命のボタン (ハヤカワ文庫NV)

運命のボタン (ハヤカワ文庫NV)

キャッチーそしてB級♪エンタテイメントの腕前は超1級なマシスン。
運命のボタン
ある日自宅にボタンが届けられた。
「このボタンを押せば大金が手に入る。しかし世界のどこかで知らない誰かが死ぬ」
あなたは押すか?押さないか?
なんかオチ直前までは結局「猿の手」みたいだと思ってたけど、最後の男の一言で一変。
読後はなかなか良い感触。
「死の部屋のなかで」
ふらりと立ち寄った喫茶店。水はまずいしメニューはろくなものがない。店主は無愛想でどことなく上の空。
まぁいいやと注文してトイレから戻ると、夫が煙のように消えていた。
どどどどうなってんの!?…と思いきや、現実的な解答が与えられて大団円。
もっと長くても良いなぁ。
そしてもちょっとキメ細やかな描写力があれば、妻と一緒に不可解な世界に入り込めるのになぁ。
外から眺めている感じで、ちょっと残念。
「帰還」
「奇蹟の輝き」「ある日どこかで」に共通するような郷愁SF。