そして円環はひらく

ただの読んだ本メモ、人が読む用には書いていません

MAZE

MAZE (双葉文庫)

MAZE (双葉文庫)

荒野に建てられた大きな白い箱。
入口は人ひとりがようやく通れる位の狭さで、いったん中に入ると人間は消えてしまう。
その建築物は通称”豆腐”。
誰が何の目的で作ったのか?なぜ入口はひとつなのか。人間消失のルールとは?


提示される謎は面白くて心を引き付けられる。が、この手の話の宿命とはいえ、作者が提示する”解”が肩すかし。
結末を曖昧にして読者に投げなかったのは作者の意地か。
星新一の「穴」を出して、”豆腐”に辿り着くまでの細い道もその荒野も大きな”豆腐”なのではないか、
という読者の足元をぐらつかせる様な感じは惜しい。